面白古本読書感想文1

タイトルが中国の文章のように漢字だけになってしまったが、ここでは面白そうな古本(主にブックオフで購入)についての感想を述べる。

 

 

『味写入門』天久聖一 アスペクト

面白 古本 感想 札幌 単行本

 味写とは失敗と偶然が絶妙の効果を発揮した「味のある写真」につけられた呼び名のことなのだそうだ。

 

表紙の写真をご覧いただきたい。

 

お兄ちゃんがおそらく弟であろう赤ちゃんの頭をぐいっとやっている。

 

こんな写真、スタジオアリスでは絶対撮られることはない。

 

本の帯にもプロには無理と書かれている。

 

写真に母親が写っていないことからおそらくユーモアセンスのあるお母さんがお兄ちゃんを注意するよりも「これぞシャッターチャーンス!」とばかりに写した1枚なのではないのだろうか。

 

七三分けで何となく気難しそうなお父さんとユーモアセンス溢れるお母さんは、子供たちにとって良い組み合わせだ(勝手な妄想)。

 

この本には様々な味写が収められている。

 

あなたも本を開けば必ずツボにはまる写真があり大笑いすることであろう。

 

今すぐ笑いたいという人は、「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトに「天久聖一の味写入門」というコンテンツがあるのでそこから味写を見ることができる。

 

私はこの古本を買うまで「ほぼ日刊イトイ新聞」というサイトがあることを知らなかった。

 

このサイトには味写の他にも面白そうなコンテンツがたくさんあるので興味のある人は行ってみましょう。

 

 

 

『路上のうた ホームレス川柳』ビッグイシュー日本編集部

面白 古本 感想文 札幌 路上のうた

ホームレスの人たちが書いた川柳である。

 

これは腹を抱えて笑えるのでは、と思って買ったのだが・・・笑えない。

 

本気で大変な人たちが詠む川柳は笑えないのだ。

 

金持ちの人が「昨日20万円入った財布、どっかに忘れてきちまったよ~」と言っても「そそっかしいやつだなぁ」とニヤケた顔で言うことができるが、ホームレスの人が「全財産の500円間違ってトイレに流しちまった~!!」と言ったら本気で同情してしまう。

 

 

ホームレスの人たちが書いた自虐的な川柳は人の心を暗くする。

 

例えば

 

●軒下で 寝てる自分も 雪化粧

 

恐ろしい。

 

家の中から眺める雪化粧された世界はキレイだが、雪化粧と化した人間を考えると恐ろしさしか湧いてこない。

 

●寝不足と 栄養不足 長い風邪

 

これなんかただただ不幸でしかない。

 

このように、この本に書かれている川柳は人を不安に陥れるものばかりなのだが、いくつかホッとするものもある。

 

●てふてふと 炊き出し並ぶ 昼下がり

 

●炊き出しの カレーは今日も 星3つ

 

●皆無口 炊き出し食べて 満足げ

 

みんな炊き出しだ。

 

辛く厳しい状況の中でも何か心安らぐ瞬間を見つけそれを川柳として書いてもらえれば、同じく辛く厳しい状況に置かれている人たちの励ましになるのではないだろうか。

 

ちょっと上から目線で偉そうに書いてしまったが、私はこの本を古本屋で買ったので、ホームレスの人たちに何の貢献もしていない。

 

ちなみにホームレスの人たちを対象とした「路上文学賞」というものがあるそうだ。

 

サイトには過去の作品も掲載されているので興味のある人は行ってみましょう。

 

 

 

『なぜ韓国は、パチンコを全廃できたのか』若宮健 祥伝社

面白 古本 感想文 札幌 パチンコ

 パチンコはアンタッチャブルな領域の1つである。

 

なぜ日本からパチンコ店が無くならないかというと「無くならなくたっていーじゃん」という人がたくさんいるからである。

 

韓国では「無くしちゃったほうが良いでしょう」という人のほうが多かったのだろう。

 

最近、生活保護受給者がパチンコを打っていることが問題になっていたが、これって負けたとき大丈夫なのだろうか。

 

「もう、これ以上生活保護費を下げられたら生きていけない」とデモを起こしていた人たちがいたが、パチンコなんて2,3万あっという間に無くなってしまう。

 

万単位で負けたとき、その月どうやって暮らすのだろう?

 

そもそもパチンコ店まで歩いて行き、たくさんの人、大音量の騒音が流れる中、何時間も椅子に座り続けることができるのなら、何かやれる仕事があるような気がするのだが。

 

生活保護受給者から娯楽を取り上げろなどと言うつもりはさらさらないが、パチンコはちょっと違う気がする。

 

違うというよりも負けた時のことを考えると不思議でならない。

 

今、ゲームセンターのメダルゲーム機が高齢者の人たちに人気があるという。

 

こっちの方がパチンコよりも安く遊べるし、子供とかとも一緒に楽しめるので、お金目的でない人はこっちにくると良いと思う。

 

それにしても「パチンコ」という文字は見れば見るほど間抜けに思える。

 

 

 

『札幌学』岩中祥史 新潮社

面白 古本 感想文 札幌学

 表紙の絵が面白かったので、札幌市民ではあるが「札幌学」を買ってみた。

 

やはり札幌市民が読んでも、それほど驚くことは書かれておらず、札幌に興味のある他県の人が読むべき本であると思った。

 

札幌は住んでみたい都市の上位によくランクインされるが、なぜだかいまいち分からない。

 

札幌に住んでいて不便を感じることは無いが、かといって特別なにか魅力的に思うこともない。

 

ゴルフとスキー(スノボ)が好きな人にとっては確かに良いかもしれないが、そんな人ばかりではないはずだ。

 

ススキノか? ススキノなのか!?

 

いや、違うか。

 

北海道は食べ物が美味しいというが、他県と食べ比べたことがあまりないのでよく分からない。

 

しかし、北海道だけが特別美味しいということは無いと思うのだが。

 

もしそうだとしたら、何か中毒性のある物質を混ぜている可能性が高い。

 

スープカレーはそうなんじゃないかと睨んでいる。

 

かなり昔、会社の同僚と昼飯にカレーを食べに行こうということになり、私はカツカレーを食べる気満々だったのだが、たどり着いた先はスープカレーの店だった。

 

皆さん、スープカレーの店にカツカレーは置いていません。

 

カツカレーが食べたかったのに、出てきたシャバシャバの液体を見て私はガッカリし、味もほとんど記憶に残らなかった。

 

しかし、その後2回スープカレーを食べてハマった。

 

「スープカレーなんてカレーじゃないだろ、カレーといえばルーなんだよ」という人はスープカレーを一生食べなくてもぜんぜん構わないと思う。

 

しかし、スープカレーに興味のある人は、気を付けてもらいたい。

 

何か混ざっている。

 

札幌の夏は他県に比べると過ごしやすいと思うが、冬は大変だ。

 

雪の積もらない県から雪国へ引っ越そうとしている方は、くれぐれも雪に注意してもらいたい。

 

まず雪かきで腰を痛める。

 

腰を痛めているにも関わらず雪は降り続け、ほとほとうんざりする。

 

歩いていて滑って転ぶ。

 

1人のときに転ぶととても恥ずかしい。

 

車の運転中、まっすぐ走っているのに雪道にハンドルをとられ慌てふためく。

 

4WDでないと雪にはまって脱出できなくなる。

 

最近車に興味のない若者が増えてきていると聞くが、札幌は公共交通機関が充実しているので、車を運転しない人や雪道の運転に自信のない人は、車に乗らなくてもさして不便を感じないかもしれない。

 

建物は断熱効果が高く室内はとても暖かい。

 

家の近くに地下鉄駅があれば、建物から地下へ、地下から建物へと暴風雪から身を守りながら移動することができる。

 

最近札幌で起きた変化といえば、路面電車のループ化だ。

 

「あとちょっと継ぎ足せばループ化すんのに~」という所を継ぎ足して輪っかにした。

 

これによって利便性が向上し、路面電車の利用者数が増えたという。

 

そして来年、運賃が170円から200円に値上がりする。

 

エヘヘ。

 

 

 

『図解 知ってるようで知らない食べ方の常識』にっぽん食べ方研究会 有楽出版社

面白 古本 感想文 札幌 食べ方の常識

この本はマナー本ではない。

 

マナー本は食べ方を押し付けてくるが、この本は、こんな食べ方がありますよ、こうするとキレイに食べられますよ、といった感じで強制してこない。

 

「俺は昔からスパゲティは箸ですすりながら食ってんだ、ごちゃごちゃぬかすな」という人も、まぁ楽しんで読めると思う。

 

しかし、内容が薄い。

 

ほとんど文字がない。

 

表紙の半熟目玉焼きの食べ方は、

 

①黄身にナイフを少しだけ入れる。

 

②白身を一口大に切る。

 

③2の白身を黄身につけて食べる。2,3を繰り返す。

 

④最後に残った黄身はパクッと一口で食べる。

 

これだけである。

 

これが見開きで、絵とともに説明されている。

 

他も大体そんな感じで書かれている。

 

そして定価は950円。

 

あなたはお買いになるだろうか?

 

速読を習得していなくても10分以内に読み終えることができる。

 

一体何冊売れたのであろう?

 

そんな中1つ興味を惹かれる食べ方があった。

 

それはプリンの食べ方である。

 

カップのプリンを皿に出さずに下に溜まったカラメルと一緒に食べるには、まずはプリンを真ん中から下まで食べる。

 

そしてカラメルが出てきたらプリンと一緒にすくって食べる、というものである。

 

「別に真ん中でなくてもいーじゃん」

 

「下まで食べてからカラメルと一緒に食べるなんて昔からやってたし」

 

という声が聞こえてくる。

 

しかし私が興味を惹かれたのは食べ方ではなく、なぜカラメルを下に入れて作るのかという所なのである。

 

「カラメルをプリンの上にかければよかろうが」と大抵の人は思っているはずである。

 

そこで調べてみた。

 

すると驚愕の事実が判明。

 

カラメルはプリンの上にかけて作っているのである。

 

しかし、プリンを溶液の状態で容器に入れるのでプリンよりも比重の重いカラメルが底に沈むそうだ。

 

知らなかった。

 

ここでさらに疑問が。

 

どうせ沈むのなら、最初からカラメルを底に入れて作ればよいのでは?

 

ここらへんからは、なんだかもう分からない。