長引く痛みの原因の一つとしてモヤモヤ血管というものが見つかった。
どういうものかというと、グチャグチャ、モヤモヤと絡まるようにしてできた細い血管の集まりであるらしい。
このモヤモヤ血管が痛みを引き起こす理由が3つあるそうだ。
第1の理由は、モヤモヤ血管が血液や細胞外液をしみ出しやすい性質にあるという。
炎症細胞である白血球がモヤモヤ血管まで来ると、血管外にしみ出しそこに溜まる。
炎症細胞は痛みを感じさせたり発熱させたりする物質を放出するので、モヤモヤ血管が増えれば、その周囲に炎症細胞がより多く溜まり炎症が悪化し痛みが長引く。
第2の理由は、モヤモヤ血管が周囲を低酸素状態にすることだ。
モヤモヤ血管は細い血管が絡み合ったような状態になっているので、栄養や酸素を細胞に十分に届けることができず、モヤモヤ血管の周囲は低酸素状態に陥る。
そうすると、筋肉内に乳酸などの痛み物質が発生し、長引く痛みが引き起こされる。
第3の理由は、モヤモヤ血管が周囲に痛みを発する神経線維を増やすことだ。
血管と神経とは対になっており、新しく血管ができると神経線維も血管に沿って新しくできるそうだ。
神経線維には2種類あり、エミリンという脂肪線維に包まれているものと、包まれていない裸のもの。
モヤモヤ血管と共にできる神経線維は裸の神経線維だそうで、この裸の神経線維はジワジワと絶えず脳へ痛みの信号を送る働きがあるため長引く痛みの原因となるのだ。
モヤモヤ血管の治療法としては、小さな粒子をモヤモヤ血管に流し込み詰まらせて働きを止めるカテーテル治療や、ステロイド製剤、ヒアルロン酸製剤など血管を退縮させる作用のある薬剤をモヤモヤ血管に注射する治療法などがあるらしい。
しかし、そのような治療を行っている病院はまだまだ少ないという。
そこで家庭でもモヤモヤ血管を減らす方法が考えだされた。
それは痛む場所を探して10秒間、押し続けるという方法だ。
正確には3本の指で爪の先が白くなるくらいの少し強めの力で10秒間押す。
途中で力を緩めたり、10秒より少ない時間でやめたりすると十分な効果が得られないという。
首の前側や横側は絶対に押してはいけないそうだ。